ワーケーションとテレワークの違い:自由な働き方を自分らしく選ぶ
最近では、「ノマドワーク」「ワーケーション」「テレワーク」など、さまざまな新しい働き方の言葉を耳にするようになりました。正直、どれも似たように思えるかもしれませんが、それぞれに意味や前提、活用方法が異なります。ですが、どのスタイルにも共通しているのは、“自分で仕事と暮らしのスタイルを選べる”という点です。
この記事では、「ワーケーション」と「テレワーク」の違いを中心に、自分らしい自由な働き方について掘り下げてみたいと思います。特に、50代以降のシニア世代にとっての新しいライフスタイルとして、どんな可能性があるのかも含めてご紹介します。
ワーケーションとテレワーク、どう違うの?
「ワーケーション」と「テレワーク」、言葉は似ていますが、その根本的な考え方には大きな違いがあります。
テレワークとは?
テレワークは、オフィスに出勤する代わりに、自宅やカフェ、コワーキングスペースなど、柔軟な場所で働くスタイルのことです。あくまで“働く”ことが目的であり、その手段として「どこで働くか」が自由になったという点が特徴です。
この働き方は、コロナ禍をきっかけに一気に広まり、多くの企業が導入を進めました。場所にとらわれず、通勤のストレスを減らしながら効率的に仕事を進められるというメリットがあります。
ワーケーションとは?
一方で、ワーケーションは“休暇をベース”にした働き方です。言葉の通り、「ワーク(仕事)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせたもので、旅先やリゾート地、自然豊かなエリアでのんびりと過ごしながら、その合間に仕事もこなすというスタイルです。
つまり、テレワークが「仕事がメイン」なのに対して、ワーケーションは「休暇がメイン」という立ち位置になります。この違いが、実はとても重要なのです。
働くと休むの境界線をゆるやかに
これまで私たちは「平日は仕事」「週末は休み」と、時間をキッチリと分けて生活してきました。でも、ワーケーションではその区切りをあえて曖昧にすることで、生活そのものを柔らかく整えていきます。
例えば、朝は温泉地の散策路を歩き、昼にお気に入りのカフェで仕事を片付ける。夕方は地元の食材を使った料理を楽しみながら、夜に少しだけ資料をまとめる。そんな「働きながらも心を休められる」時間の使い方ができるのです。
もちろん、すべてが理想通りにいくわけではありません。仕事を旅先に持ち出すということは、PCや充電器、Wi‑Fiの準備や、時間管理への意識も欠かせません。それでも、それらを乗り越えて得られる“心の余白”は、他のどんな働き方にも代えがたいものです。
50代からの新しい選択肢として
私が特に「ワーケーション」という働き方をおすすめしたいのは、子育てがひと段落し、自分の時間が持てるようになったシニア世代の方々です。
これまでは家庭のこと、仕事のこと、毎日が慌ただしく過ぎていたかもしれません。でも、ふと立ち止まったときに、「この先、自分はどう生きたいか」「どんな風に仕事と関わり続けたいか」と考える人も多いのではないでしょうか?
そんなとき、週に数日だけ、もしくは月に1週間だけ旅に出る。好きな場所で過ごしながら、無理のないペースで仕事もこなしていく。そういった“仕事と旅のハイブリッド”な暮らし方は、人生をより豊かにしてくれる選択肢になるはずです。
特に、健康面やストレスケアが気になる年代だからこそ、自然の中でリラックスしながら仕事を続けられるというのは大きなメリットです。
ワーケーションの具体的な楽しみ方
- 朝:森林浴で気分を整えてからオンライン会議
- 昼:地元のランチを楽しみ、午後に集中して作業
- 夜:温泉や宿でゆっくりリラックスしながら資料整理
こうした日々の中に、“自分のペースで働く”という心地よさがあります。
ワーケーションを成功させるポイント
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- 事前に滞在先のWi‑Fi環境や作業スペースを確認
- 必要な業務ツール(PC、モバイルバッテリーなど)を準備
- スケジュールは緩めに設定し、無理のない働き方を意識
- 休むことを優先し、あくまで“心のゆとり”を大切に
まとめ:自分らしく生きる働き方を
テレワークは、仕事の効率を上げる手段として注目されてきました。一方、ワーケーションは、人生そのものを豊かにする生き方の提案です。
「働くこと」も「休むこと」も、どちらも私たちの人生にとって大切な時間。だからこそ、二つを上手に組み合わせることで、より自分らしく、より心地よい暮らしが見えてくるはずです。
もし今、「働き方を変えたい」「暮らしを見直したい」と感じているなら、ワーケーションという選択肢を一度覗いてみてください。それがきっかけで、思いがけない生き方のヒントが見つかるかもしれません。
人生100年時代。働くことと暮らすことを分けずに、自分らしいスタイルを見つけていく。そんな時代が、もう始まっているのかもしれません。
番外編:ノマドワーク・ノマドワーカーとは?
最近では「ノマドワーク」や「ノマドワーカー」という言葉も耳にすることが増えてきましたよね。
私自身も泊ってるホテルのロビーでパソコンを開けてると、「ノマドですか?」と聞かれたこともあります。
ではそもそも、「ノマドワーク」や「ノマドワーカー」とは、どのような意味を持つ言葉なのでしょうか?
ノマドの語源
「ノマド(Nomad)」という言葉は、英語やフランス語の“Nomad”や“Nomade”が語源だと言われています。
これらの単語は、もともと「遊牧民」を意味しており、ひとつの場所に定住せずに、季節や状況に応じて自由に移動しながら生活をする人々を指します。
その概念が現代の働き方に取り入れられた結果、「ノマドワーク」は「遊牧民のように自由に場所を選んで働くスタイル」、「ノマドワーカー」は「そのように働く人」という意味で使われるようになりました。
つまり、ノマドワークとは固定されたオフィスや勤務場所に縛られることなく、自分が心地よいと感じる場所で働くスタイルのことを指します。
ノマドワーカーの働き方
ノマドワーカーの働き方は実に多様です。カフェでノートパソコンを広げて仕事をする人もいれば、海辺のリゾートや山間の温泉宿で、のびのびと作業をする人もいます。
Wi-Fiさえあれば、どこでも仕事ができるという環境を活かして、場所にとらわれない働き方を選択する人たちです。
このような働き方は、単に場所を選ばないというだけでなく、自分自身のライフスタイルや価値観に合わせた「自由な生き方」の一環でもあります。
オフィス勤務のように決まった場所に通う必要もなく、また自宅にこもる必要もありません。
自分にとって一番快適な場所を選び、その場所で最高のパフォーマンスを発揮する。そんな柔軟な働き方こそが、ノマドワークの魅力なのです。
フリーランスとの違い
よく混同されがちなのが、「ノマドワーカー」と「フリーランス」という言葉。
たしかにノマドワーカーには、フリーランスとして働いている方が多く見受けられます。
しかし、両者は厳密には異なる存在です。
フリーランスとは、特定の企業に雇用されることなく、個人で仕事を受けて働くスタイルを指します。
一方で、ノマドワーカーは「働き方のスタイル」に焦点を当てた呼び名です。
雇用形態に関わらず、働く場所や時間を自分で自由に選べる人であれば、会社員であってもノマドワーカーになり得ます。
つまり、フリーランスは職業上の立ち位置、ノマドワーカーは働き方の姿勢やスタイルを表していると言えるでしょう。
ノマドワーカーの中には、企業に所属している人や経営者もいます。発注先と契約を結びながら、時間や場所にとらわれず仕事をしている方も含まれるため、より広い意味を持っているのです。
ノマドワーカーになる条件とは?
ノマドワーカーとして働くために、特別な資格や条件があるわけではありません。
ただひとつ、「時間と場所にとらわれない働き方をしていること」。それだけが条件です。
つまり、在宅ワークやリモートワーク、ワーケーションなど、オフィスに通わずに働くすべてのスタイルは、ノマドワークに含まれるといえます。
もちろん、毎日違う場所を転々とする必要はありません。
一か所に長く滞在しながら働くスタイルも、立派なノマドワークなのです。
大切なのは、「自分にとって心地よい働き方を選ぶこと」。
ノマドワークは、そのための手段のひとつといえますね。
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